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「仕事とは、自分を高めてくれるもの」ーベンチャーに新卒で入社し、ママになった今だからこそわかること

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マーケティングインテリジェンス事業本部 UZOU事業部 プロダクト開発 吉田 早希

東京大学経済学部卒業。2012年、新卒でSpeee入社。現Webアナリティクス事業部において、アナリスト職に配属。自分の責任領域を広げ、複数のプロジェクトの推進・実行による多面的な高い成果創出が評価され、全社表彰式においてMVPを受賞。その後、ネイティブアド配信プラットフォーム「UZOU」の立ち上げに携わる。育休産休を経て、現在は1児の母で時短勤務ながらも、UZOUのサービス開発に尽力している。

反対を押し切って入社したからには、自分の意思決定を正解にしたいと思っていた1年目

高校1年のとき、アメリカに1ヵ月交換留学に行ったのが大きな経験となり、東大へ。大学入学後は、学生団体に所属していました。イベントに参加いただいていた卒業生の中でも、社員数の少ない企業に勤めている方々のバイタリティに溢れ、バリバリ働いている姿に影響され、ベンチャーを志望するようになりました。就活時、インターンを探している中で出会ったのがSpeeeでした。1泊2日のインターン全日程に役員が全員参加していて、30人強の規模にも関わらず人に投資していること、インターンや面接を通して長く働いてほしいと考えていることがうかがえて、入社を決意しました。

入社後の配属はWebマーケティングのアナリスト。お客様のWebサイトを分析しサーチ領域のマーケティングをご支援する部門です。配属前研修は順調だったものの、実際にクライアントを任せてもらえるようになってからが辛かったですね。なかなか相談しない、相談のタイミングも悪い、期限ギリギリになって蓋を開けてみたら50点くらいの資料しかできていない、みたいなことが多く、一緒にクライアントを担当しているコンサルタントにも迷惑をかけているというような状況で。当時の上司である高部さんとの1on1でもきつめのフィードバックばかりでした。自分がダメなことはわかってはいたものの、実際にどのように改善したらいいか全くわかっていなかったのだと思います。自分が出来なさすぎて視野が圧倒的に狭くなってたんでしょうね(笑)

学生時代は割と個力で突破することができていましたが、ステークホルダーが多面に増えたことによって、どうやって周囲を巻き込みながら価値を出せばいいかわからない、もっと自分一人で没頭したい、という感じだったのかもしれません。その後、クライアントと丁寧に対峙してみたらどうかと高部さんに提案され、案件数は半分以下に。従来、入社1,2年では様々なクライアントを担当しながら経験を積んで貢献するメンバーが多かったので、その分かりやすい指標である案件数を減らされて、自分の存在価値がなくなってしまったような気がしてどん底でした。

ただ、辞めようとは思ってなかったですね。1年経たずに辞めるのは悔しくて(笑)。当時のSpeeeは、社員が30人強の単一事業しかないアーリーベンチャーで、そんな企業に東大から就職する人が全然いなかったんです。親にも大反対されている中で自分で選んで入社したので、成長できずに1,2年で辞めてしまったり、入社同期が活躍してるのを横で見ているだけだったりするのは、ものすごく悔しかったです

なので、絶対に成果を出してこんな私にとことん向き合ってくれる上司やメンターに恩返ししたいと、ずっと思っていました。少ない案件の中、出来ることを時間内にやりきる、1つ1つのクライアントに丁寧に向き合って提案をする、という基本に立ち返りました。少しずつ出来ることを積み上げていく中、上司から「こういうアウトプット待ってたんだよ」と認めてもらったときになんだか救われて、そこからまた少しずつ自信が出て領域を広げていくことができました。

どん底から這い上がり、領域を拡大。成果を出すことでさらに新しいチャレンジを得る

当時手を挙げて任されたプロジェクトの一つで、膨大なデータをエクセルで扱う必要があったんですが、それを社内システムとしてゼロから開発していこうという話になり、やらせてもらうことになりました。自分が「こんな運用をしたい、こんなものが作りたい」と感じていたものが、エンジニアの手によって実際のものになっていく工程は、感動でした。ものづくりは奥が深くて楽しいなと、初めて実感したのを覚えています。その後、現在でもWebアナリティクス事業部で使っているMarkeshipを作るという構想が出た際も、手を挙げて開発ディレクションをやらせてもらいました。

並行して、実務であるアナリストとしてはサービス拡張にも力をいれていて、クライアントのWebサイトを、集客の観点だけでなく回遊性やUIの観点から数値を分析して提案をするようなこともしていました。当時Speeeが取り扱っていたサービスの領域ではないものの、お客様の満足度がものすごく高くて。その後のSpeeeのサービス拡張に、少しは貢献したんじゃないかなと思います。辛かった1年目の冬から1年くらい掛けて少しずつ自信をつけていき、誰の何のために自分が仕事をしてるのかが腑に落ちてくるような経験ができました

学生時代の学生団体やSpeeeにおいても、周りの人にいかに自分が貢献できるか、にモチベーションを感じるタイプだったというのもあり、顧客やユーザーがいてサービスを使ったり満足してもらったりすることはとても嬉しかったですね。そうやって自分と仕事がうまく対峙できるようになったころ、全社MVPをいただきました。クライアント対応をしながら、複数プロジェクトに手を上げて自分の領域を広げていき、その成果を会社から認められたのかなと思います。それまで向き合ってくれた上司やメンターに分かりやすい形で成長を見せることができて、当時の表彰式では感極まって号泣したのを覚えています。

その翌年、UZOUというネイティブアド配信プラットフォームの立ち上げにサービス責任者としてジョインしました。UZOUの立ち上げ時は高揚感でしかなかったですね。その後結婚し、安定してプロダクトが運用できるようになったときに妊娠。また同じUZOUのPMとして戻ってきたい、そう思いながら産休に入りました。実際、産休・育休を1年くらいいただいた後も心変わりなく(笑)今のUZOUや開発チームの皆と働きたいと考えていて、同じポジションで復職させてもらいました。

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MVPを受賞した表彰式

20代に高い基準で仕事を追求できたことが、ママになった今活かされている

復職後大変だったことは、自分の思考の質やスピードも落ち、仕事の感覚が鈍っていたことですね。自分の中の基準が気が付かないうちに下がっていたので、とても焦りました。これは仕事をしていく中で徐々に戻ってきたとは思っているのですが、その際に基準となったのは出産・育休前の自分の仕事でした。

働く時間もそうだし、資料1個のアウトプットにしてもその体裁の整え方やストーリーの組み立て方など、様々な仕事のクオリティをアナリスト時代の上司にめちゃめちゃ厳しく見てもらっていたんです。今仕事をしていても今の自分っていい仕事が出来ているのかなと、自分の中の基準に照らし合わせて考えがちなので、そういう仕事の色んな基準をある程度高めておいて本当に良かったです。

正直、時短だと成果を上げづらいかもしれません。それは、時間が短いことに加え、「今日◯時に帰らないといけないし、ここはいいや」みたいな無意識の甘えからくる成長角度の鈍化もあるなあとひしひしと感じます。日々のちょっとした自分の中の甘えを許していくことに周りは誰も気付かないかもしれないですが、徐々にその甘えが習慣化し、自分の仕事の基準が下がって仕事ができなくなっていくことが一番恐ろしいなと思っていて。時短だとよりこの甘えに陥りやすいんじゃないかと。

なので、産休に入る前にとにかく実力をあげて、出来ることを増やしておくことは重要だったなと思います。私ももっとやっておきたかったこともたくさんあります。出来ることを増やすというのは、広さよりも深さですかね。自分の興味があることや、やっていることを拡げていくのは基本スキルがあればできるとは思うのですが、深めていくのは時短で子育てをしながら働いていると、本当に覚悟と自律が必要だなと感じています。

特に今は、自分の時間を仕事に投資しているという感覚が強くなって、ちゃんとアウトプットを出したいし、事業を前に進めたいと思う気持ちが強くあります。時間に対するコミットが一番強く変化しました。もちろん、20代のころもコミット感は持ってたんですけど、子どもと一緒にいる時間を削って仕事してるんだったら何かしら残したい、と思いながら仕事に向き合っています

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私にとって仕事とは、自分自身を高めてくれるもの

私、根本的には堕落した人間なんですよね(笑)子供がいない頃は、休日は自分の好きなように生活をし、好きなように寝て、本当にダラダラしていて、全く自律できていませんでした。自律できてない自分は全然好きじゃないですし、ダラダラ過ごしてしまったことに自己嫌悪にもなります。なので、そうならないための一手段が仕事かなと思います(笑)

そんな私が、仕事をするうえでSpeeeでよかったと思うのは、人がいいこと。何か成果に向かって真摯に取り組めば、みんなが認めてくれるし、皆で協力し合えれば大きい成果も出るし、ちゃんと評価をしてもらえる。成果に真摯に、相手にも真摯にいられる自分は、好きな自分で、そんな自分でいることができる環境が、Speeeだと思ってます。

もともと、これをやりたい!という強い意思や、やりたいことも基本ないタイプですが、起業したいとか目標を持って入社している同期が多かったのもあり、やりたいことがない自分に劣等感を抱いたこともありました。でも今となって思うと、それは別に全然問題はなくて。私は、興味と興味がちょっとずつ繋がってきて、今、プロダクト開発をやっています。私みたいにやりたいことがない人は、目の前のことで面白いなと思うことを突き進めたらいいんじゃないかなと思います自分が選んだ道を正しくしていくのは自分しかいないと思うので、何かやれることをとにかくやる。私は愚直に積み重ねていくことで自分なりにやりたいことが見えてきた気がします。とは言え、今も確固たる目標があるわけではないので、色々やっていく中でまた悩んで、またやりたいことを見つけて取り組んで、を繰り返していくんだろうなと思います。

あと、新卒1年目時代、活躍していた方がおっしゃっていた「成果を出すには、自分の力を最大限発揮できる環境を作ることも大事」ということもすごく意識しています。私自身、仕事をしていると自分が成果を出せる時と出せない時があって、それは、何を成し遂げたいかということに集中できていて、自分をよく見せようと躍起になったりせずに等身大の自分で仕事できているかどうか、だったんですよね。なので、一緒に働く人とコミュニケーションをたくさん取って自分を知ってもらったり、頭の片隅にある気になることが無くなるように動いたり、自分の成果の出しやすい環境を意識的に作っていました。

違和感とかおかしいと思うことは、批判しても何にもならないし、であれば自分で環境を変えていけばいいと思っています。周囲や環境を変えるのって難度が高いことが多々ありますが、そういう風に変えていけた経験がそのまま自分の実力になると思いますし、Speeeはそれができるベンチャーだと思っています。「私、働きづらいんだけど‥」みたいに感じている方もいるかもしれないですが、じゃあ働きやすくしようよ!その方がみんな絶対うれしいはず!と言いたいですね。

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家族と


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当時の上司 高部 将治

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早希さんの入社当時は、与えられた仕事に対して、寄り道せずまっすぐ確実に正解を出せる、利発さと勤勉さを持っている印象でした。今となってみれば、当時は活躍のロールモデルもおらず、相当な覚悟をもってチャレンジしてくれたんだなと思います。

ただ、クライアントの期待が高度化していく中で、正解のない問いに向き合う機会も多くなってきたとき、自分でなんとかするという意思力や責任感がゆえ、仕事を内に閉ざし価値発揮の仕方が見えなくなったり、一人でもがく停滞期間に入ったこともありました。

そこから突破するために、数多くの対話を重ね「また一緒に仕事がしたい」と思わせる、期待を越えるアウトプットができているかということにシンプルに向き合ってもらうことにしました。そこがきっかけとなったのかわかりませんが、一つ一つ丁寧な仕事を続ける中で、自信と実績を得ていったように思います。

今では、家庭を持ち、ライフステージが変化する中でも仕事や成果に向き合う姿勢は、変わらぬ一貫性を感じ、安心して見守っています。

女性としてベンチャーで長く仕事をすることは、なかなか想像しにくいかなとも思いますが、早希さんは、今の自分に何が必要であるか真摯に向き合い、ゴールからの逆算ではなく、一つ一つ目の前のことを丁寧に積み上げることで現在の活躍に繋がっているのだと思います

今後も、時に立ち止まることもあると思いますが、柔軟に考え、自分らしく仕事を楽しんでいってもらいたいですね。

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