マーケティングインテリジェンス事業本部 PAAM事業 事業責任者 左近 進
2006年大手広告代理店グループに入社し、多くの大型プロモーションをプロデュースしたのちITサービス会社ではWebブラウザゲーム、ネイティブアプリのマーケティング戦略を担当。前職のアクセンチュア株式会社では、デジタルマーケティング戦略/CRM領域のコンサルティングサービスを提供する組織でグローバルでの経営指標の「見える化」プロジェクトを牽引。2019年4月株式会社Speeeに入社し、現在PAAM事業にて戦略コンサルタント兼事業責任者を務める。
個力を伸ばすことに注力したキャリア
学生時代は自分の個力をつけるなら無形商材がいいだろうと思い、ファーストキャリアに広告業界を選びました。そこでは、常に10~20のプロジェクトを担当し、セールスからプロデュースまで行っていました。その広告代理店で7年ほど務めたのちに、インターネットサービスの事業会社に転職。
当時はまだ広告業界の中心はオフラインで、オンラインについては事業会社のほうが進んでいたのもあり、オンラインのマーケティングを学ぶには最適だと思ったためです。そこで、オンオフを問わず大規模なプロモーションをプランニングするマーケティングチームのマネージャーを任せてもらい、億単位の予算で様々なチャレンジをさせてもらいました。
しかし、業界全体の市場規模が右肩下がりで縮小に向かうにつれて、広告やプロモーションだけでできることに限界を感じていました。そこで、今度はより事業、経営に近いところを学びたいと思い、コンサルティングファームであるアクセンチュアへ入社。
最初は、仕事の進め方に慣れるのに苦労しましたね。コンサルティングファームならではのロジカルなものの考え方やスライドの書き方一つとってもこだわりがあり、そこまでやるのかと何度も思ったものです。また、基本的に個人プレーが多い業界なので、精神的なプレッシャーも大きかったですね。ランチに行っても何も喉を通らないなんてことはざらにありました。
デジタルマーケティングやCRMのプロフェッショナルが集まる組織に所属していたのですが、プロジェクトではほとんどマーケティングに関わることもなく、管理会計のプロジェクトなども担当していました。努力が認められたのか、幸いにも入社から1年と比較的早いタイミングでマネージャーにプロモーションし、個としての力はある程度ついてきた実感が持てるようになってきて、次のキャリアを考えるようになりました。
環境に頼らずに結果を出すビジネスパーソンになるためPAAMの事業責任者へ
これまでの会社でも評価していただいて、周囲から見ると順調なキャリアに見えていたかもしれないのですが、自分では「左近ってこれをやったよね」と誰が見ても分かりやすい実績がないことに違和感がありました。自分の5年後の価値を2倍3倍にするには、売上がトップだったとか業務効率化を30%達成したとかそういうことじゃないんだろうなと。コンサルティングファームではそれは難しいと思い、次の挑戦の場を探し出しました。
最初は「どこにいくのが一番成功確率が高いか」という視点で転職先を探していたのですが、活動中に懇意にしていたキャリアコンサルタントの方から「どこの会社で成功するかではなく、どこの会社でも成功させられないと左近さんの思い描くようなキャリアは実現できないですよ」とアドバイスをもらい、そういうことかと腹落ちしました。複数の候補の中から、一番不確実性の高いと思われる新規事業の責任者というポジションでチャレンジしようと決めました。
実は、過去2回の転職でも未経験の領域にチャレンジしたのですが、全くと言って良いほど不安はなかったんです。ただ、Speeeへの転職にあたってはこれまでよりさらにレバレッジの効いたチャレンジだったのと、プライベートの状況も変わっていたので、今また新しいチャレンジを今するべきなのか?という点はとても悩みました。実際にSpeeeの方とも何度も面談を重ねました。6回か、それ以上六本木に足を運んだと思います。
その中で、Speeeの事業責任者レイヤーのメンバーそれぞれの得意領域が異なっていて多様性があり、且つ私のストロングポイントがその誰とも被らず自分のバリューが出せるイメージを持てたのも意思決定の大きな助けになりました。
これまでの経験を結集させ、戦略コンサルタントと事業運営を兼務
現在はPAAM事業の事業責任者として事業開発を担いつつ、引続きコンサルタントとして顧客支援も行っています。
PAAMはマーケティングDXやセールスDXなどデータ活用の支援を行う事業で、クライアントとのあるべき姿に向けて戦略を描くだけではなく、実際にスモールサクセスを積み上げてプロジェクトを成功に導くのがわたしたちの仕事です。
クライアントと対峙するうえでも、事業会社の経験は非常に役に立っています。
たとえば、コンサルタントとしてクライアントに提案を行うと、提案に同意を得られても現実はなかなか実行されず、成果が出る前にプロジェクトが終了するパターンがよく起きます。私も当時なぜそんなことが起こるのか腑に落ちないこともあったのですが、事業会社で事業経営に携わってみると、なぜ優先順位が上がらなかったのかよく分かるようになりました。
そんな経験から、現在はただあるべきの提案を行うのではなく、より現実的で具体的なソリューションを提案し、それこそ真の意味でクライアントに伴走できているのかなと感じることも多いです。
事業経営の領域では、事業目標の策定や進捗の管理、パートナー企業様とのアライアンス、メンバーの育成、採用活動など、事業に必要なことはすべてやります。とはいっても、自分の体は一つなので、自分の工数をどこに使うのが最も事業に貢献できるかという点は常に注意して日々の業務を行っています。そういう意味では、過去の3社での経験の良いとこ取りをして事業経営をしていると言っても良いかもしれませんね。
カオスな環境を楽しみ失敗を恐れずチャレンジできる人と働きたい
PAAMは今、ご支援するプロジェクトもメンバーもどんどん増えている事業拡大のフェーズにあり、このフェーズだからこそ得られる経験や、身につくスキルがあると思っています。まず、PAAMで提供している商材はコンサルティングサービスではありますが、前提として事業開発を行っているため、おのずとコンサルティングファームとはプロジェクトの進め方や個人の評価軸が異なります。
事業として新しい知見を得ることができるテーマにスコープに絞ってプロジェクトを推進するため、ただプロジェクトを長期化したり、対応範囲を広げることはしません。そのため一人が経験できるプロジェクトの数は大手よりも多く、各人が高速で経験値を蓄積しPDCAを回すことができるのです。
とはいえ、クライアントのいる事業ですので、プロジェクトを失敗しないことはもちろん重要です。しかし仮に失敗があったとしてもその際の学びが多ければ、そのチャレンジは大いに歓迎したいと考えていますし、そのようにメンバーの評価を行っています。
これからは、より多くの方、企業へ価値提供の対象を広げながら、PAAMの強みに磨きをかけてマーケットの中でも際立つ存在にしていきたいですね。そのためには優秀な仲間に一人でも多くこのプロジェクトに参画してもらうことが最重要課題だと考えています。PAAMは新規事業なので意思決定の頻度が多くカオスな環境です。そんな環境なので、あらかじめ決められたスコープの中で業務を行いたい、クライアントワークだけやりたい、など、特定領域を深掘ってやっていきたいとう人には今のフェーズは向かないかもしれません。
しかし、この環境を経験することで変化対応力、意思決定力などビジネスパーソンとしての底力が身につくと思いますし、DXコンサルタントとしての先駆的なノウハウも身につけることができます。
カオスな環境で大量の経験値を獲得することを楽しみ、失敗を恐れずにどんどんチャレンジしていけるような人と一緒に働きたいですね。