デジタルトランスフォーメーション事業部 リフォーム事業 クライアントサクセスグループ 岩切汐音
有形商材の法人営業を経験したのち、2020年に中途でSpeeeに入社。DX事業部のリフォーム領域の営業に従事。産休、育休取得後、サクセスパートナーチームの立ち上げに参画。営業の最前線に立ちながら、チームメンバーのマネジメントも担当。
自分のキャリアを諦めたくないと思いながら、消極的になってしまった復帰直後
ー 岩切さんはSpeeeに入社される前後で、どのようなキャリアをたどられてきたのでしょうか?
Speeeに入社する前はバーテンダーをしていました。toC向け有形商材の営業や法人営業も経験しましたが、人と人のコミュニケーションから売上が立っていくこと、商品だけではなく、自分自身を気に入ってもらって売れていくことが楽しかったですね。その後、次は無形商材での営業を極めたいと思い、Speeeに入社しました。
DX事業のヌリカエが水回り領域の拡大を始めるタイミングだったので、新規も既存も一人で担当していました。最初はヌリカエ導入に前向きではなかったクライアントが、私の提案で導入しようと意思決定をしてくれた時や、ヌリカエを通じて成約を獲得したという話を聞く時にやりがいを感じていました。
そんな時期に、妊娠が分かったんです。子どもを授かることは嬉しい一方で、つわりが重くて全然家から出られず、体調も不安定でした。来月以降の営業の仕込みが思うようにできず、数値が未達で終わる悪循環に入ってしまい悔しかったし、不安でした。
ずっと営業で、これからも営業を続けていきたいのに、こんな状態でできるのだろうか?と思いましたね。無事に出産し、育休から復職するとなったときも子どもを抱えながらも営業として活躍する、イメージを描けませんでした。だから、復職直前の面談では「アポがある営業職はムリです」と、当時の上長に伝えました。
ー 営業の仕事が好きで、続けられてきた岩切さんには大きな決断だったのではないでしょうか?
育休前の不安もありましたが、なにより子どもの存在をキャリアの足枷と捉える状況にしたくなかったんですよね。一方で、仕事に没頭できていることも大事だったので、時短ではなく、フルタイムで復帰することを選びました。子どもと仕事、両方に対して誠実でありたい、仕事ができない言い訳に子どもを使いたくないと思っていました。
希望通り、非営業職のカスタマーサービスに近い形で、フルタイムでの仕事復帰をしました。そのなかで、自分は営業が好きだったんだと改めて認識し、この仕事では自分の強みを生かしきれないな…やっぱり最前線で営業がしたいな…ともやもやしていましたね。自分の気持ちに整理がつかず、現実では、子どもの事情で業務が止まってしまい、目標もなかなか達成できていない状態で、目標が高すぎるのでは?と他責思考になっていました。
そんな時、当時の上長に「両立の難しさはあっても、最初からできないと言っていると、自分も事業も成長幅が狭まるだけ。どうやったらできるのかを考えていこう」と言われました。ハッとしましたし、やる前からできないと決めつけていたなあ…と猛省しましたね。
確かに、自分の子どもがまだ小さいのに遅くまで保育園に残っている姿をみて罪悪感を感じていたんです。育児も仕事も頑張りたくてこの働き方を選んだはずなのに、全然できてないじゃん!と。いつのまにか「育児=ハードル」だと捉えてしまっていたと気づいたんですよね。
そのため、自分の強みを生かしながら仕事をするために、できることを全部やろうと決心しました。
ー 具体的にどういうことに取り組んでいかれましたか?
まずは、家庭内営業をしました。自分の仕事に対する価値観を伝えきれていなかったので、キャリアや育児に対する価値観と一緒に、私自身がどういうキャリアを作っていきたいかという、「キャリア5か年計画」をプレゼンしたんです。
夫もキャリアを伸ばしたいタイミングで目線合わせには苦労しましたが、ビジネスでのコミュニケーションを意識して、私がやること・夫にやってほしいことを伝えるなど、根気強く2人ですり合わせしました。
その甲斐あって、今では自分だけが育児と仕事の折り合いをつけてると思うこともなくなり、時間的、精神的な余裕が生まれました。夫も私もキャリアを諦めないために、子どもの成長に合わせて、細かい調整を一緒に続けています。
仕事においても、周囲が相談しやすいコミュニケーションをとるようにしたり、仕事を属人化させないようにWikiを作ってナレッジを蓄積したりしました。また、移動時間に仕事のインプットをするなど、仕事に向き合っている時間の密度を最大限上げようと意識していましたね。
チームで営業担当をする仕組みをゼロから構築し、事業成果を創出した
ー 復帰されて半年後、リフォーム事業のサクセスパートナーチームの立ち上げに誘われたんですよね?
はい。今の上長にお声かけいただいて、新しいサクセスパートナーチームの立ち上げメンバーになりました。
正直に言うと、はじめはカスタマーサポートのイメージが強かったので、私の強みは営業で生かせると思うんだけどな…やっぱり非営業系のオファーしか来ないのかな…、なんて思ってたんです。
ですが、話を聞くと全然違って。
そもそも、今のフェーズのリフォーム事業は、中小手企業とのコミュニケーションが課題でした。営業オペレーション改良やITの活用に不慣れな企業が多く、ヌリカエの活用方法への疑問や不満を解消できずに解約されてしまう率が高まっていたんです。
その改善策の一つとして、まずは約1000社の中小手企業を専門で担当する既存営業チームを作り、ヌリカエでクライアントのビジネスを成長させたいと。
「今までの営業経験や持ち前のコミュニケーション力を生かして、営業チームの立ち上げを一緒にやってほしい。チームで営業する組織を一緒に作らないか」と言われて、本当に嬉しかったんです。私、これからも営業できるんだ、これなら自分の強みを生かせるかも!やってみたい!と思い、参加を決心しました。
中小手企業の方々に、リフォームを検討しているお客様のためにビジネス面で強くなっていただくという方針で、チームの立ち上げが始まったのですが、チーム組成からつまづきました。
お互いの信頼関係が構築できていなかったので、コミュニケーションエラーが多発。出てきた施策に対して、「これってやる意味ありますか?」とか、「売上に繋がりますか?」みたいな話もメンバーからたくさん出ましたね…(笑)
どこに向かっているのか、自分たちがやっていることはあっているのかわからなくなることがたくさんありました。
ただ、メンバー全員が成功したい、評価されたいというモチベーションを持っていました。
そこで、この仕事をやり切ることでどんなキャリアにつながるのかを明文化し、誰でも勉強したければできるという環境を作ると、主体性も相まって全員がめきめきと伸びていきましたね。
余談ですが、私もみんなと勉強してリフォーム提案士の資格を取得できたんですよ。
役職やレイヤーに関わらず、一人の営業としてどう成果に対峙したかを見て、そのなかで個々人がやりたいことにどんどんチャレンジできるように配置もしていった結果、チームを作って3ヶ月後くらいから、事業が前に進んでいく手応えを感じ始めましたね。
担当企業の方から、契約が取れました!と連絡をいただくことも増え、クライアントがヌリカエによって売上が安定して事業がうまくいくと同時に、私たちリフォーム事業の数字もあがっていく、エンドユーザー含めて三方良しの状態を体感しました。
結果、ヌリカエの解約率も大きく下がり、加盟後のアクティブ企業数は前年比150%になったうえに、新規の成約率も向上しました。事業数字が改善していくことで、自分たちの仕事に自信をもてるようになって…という好循環が生まれたように思います。
いま、とてもやりがいを感じています。私のように、事情があって突発的に休む可能性がある人も、責任を持って営業を担える仕組みを作ろうとした結果、チームの誰が対応しても、高水準の営業体験をお届けできるようになりましたし、チームでお互いに支えあう土壌もできました。
自分が営業を続けたくて考えた仕組みが、いろんな面でプラスに働いているように感じますし、私自身も良いバランスをとりながら、仕事ができているなと思いますね。
ー 今期の総会では、ベストプロジェクト賞も受賞されましたね。
受賞できて、本当に嬉しかったです!Qに一度行われるSpeeeAwardsで他事業部チームがMVPを獲得して焦ったことや、今までの取り組みも思い出して、受賞のスピーチでは感極まってしまいました。
元々、チームに自信をつけるためにはベストプロジェクト賞を絶対とらなきゃ!と考えて、私と上司で、受賞を狙える基準から逆算した目標を毎月立てていたんです。その目標を踏まえて、1人1人の特性に合わせたコミュニケーションを意識してチームの雰囲気を壊さないようにチームを前に進めていました。
だから、今回の受賞はチームの自信の核になったんじゃないかなと思います。私達がやっていることは間違ってなかった、私達の目指す姿が一つになってチームでこの成果を取ることができたんだと、チームメンバー全員が実感できたんじゃないでしょうか。
ですが、ユーザーのリフォームに関わる全工程を最高の体験にするという、ミッションの実現には、まだまだ道半ば。その実現に向けて、これからもチームメンバーのキャリアのために私が提示できるものを考えながら、一緒にレベルアップしていきたいと思っています。
仕事と家庭を諦めないカギは、強みだったコミュニケーションと努力し続ける姿勢
ー 家庭を大事にしながらも、仕事にも没頭されている岩切さんが、仕事と家庭を両立するために意識していることはなんでしょうか?
長期的な目線を持ちながら、自分が譲れないところや自分の強みをとらえ、それを生かして、今何ができるかを逆算して考えることと、成果を出すために工夫や努力を怠らない姿勢を継続することです。正直、成果を出し続けられるのが一番いいんですが(笑)、もし成果が出なかったとしても、そのための工夫や努力をし続けるということが大事だと思いますね。
Speeeではよく「信頼残高」と言っていますが、Speeeは成果にこだわる姿勢を持っている人を大事にしています。その姿勢に対して信頼が積み重なることで、チームの信頼関係が構築できたり、次の仕事の機会を得たりすることにつながるんだと思います。
また、いいことも困っていることも合わせて、上司や周りに工夫して伝えることも大事ですね。というのも、私が復帰直後の時期に、子どもを理由に仕事ができないことに対して、上司や周りに対して共感を求めるようなコミュニケーションをとっていて…。それを「今日は子どもを迎えに行くので〇〇はできないですが、代わりに××をやります」など、ポジティブな提案も一緒にするように変えたら、やり取りがしやすくなったんです。
育児に限らずみんなも事情があるので、「今日は残業できるから、私が〇〇をやるね!いつもありがとう!」など、フォローできるときはさせてもらってます。根底に、各メンバーがお互いに信頼し、成果を出すことにこだわる人たちだとわかっているからこそ、支えあっていけているのではないかと思いますね。
似たような境遇で悩んでいる人、乗り越えて来た人がSpeeeにはたくさんいますし、抱えている困難を一緒に乗り越えたいと思っている人もたくさんいるので、ぜひ一人で悩まずに相談してほしいなと思います。
ー 岩切さんの今後の展望を聞かせてください。
子どもが小学生になるタイミングが直近のターニングポイントになるかなと思っています。いわゆる小1の壁ですね。今とはまた違ったバランスで、家庭と仕事を両立させる必要があると思うので、そこまでに自分ができることや能力を提示できる状態を目指したいです。
そのためには、好き嫌いせずに、いろんな仕事に取り組みたいと思っています。今が一番楽しいと自信を持って言えるので、今後も楽しみながら、事業全体にインパクトを与えられる存在になっていきたいです。