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「新しい視点の発見を楽しみ続けたい」――決して守りに入らない仕事の流儀とは

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経営企画本部 戦略推進室  宇津木 孝志

駒場東邦中学校・高等学校、東京大学経済学部卒業。2016年、新卒でSpeee入社。現Webアナリティクス事業部において、アナリスト職に配属。入社間もなくして難度の高い案件に複数アサインされ実績を残し、全社表彰式において新人賞を受賞。その後、現経営企画本部の分析・調査を専門とする部署に異動。Webアナリティクスの事業戦略策定や既存サービス改善などのプロジェクトを推進。現在はネイティブアド配信プラットフォーム「UZOU」において事業責任者とともに事業戦略領域に携わる。

自分で決めたことを、自分でやり通した学生時代

5人兄弟の長男で、幼少期から両親には「得意なことをしなさい」と言われて育ちました。両親は東京で飲食店を経営、他の兄弟は服飾系、ものづくり、スポーツとバラエティ豊かなキャリアを歩んでおり、そんな中で自分は「勉強」に興味を持ち、自ら「中学受験をしてみたい」と、塾に通い始めたんです。
入試を経て、中高一貫の私立中学校に進学したのですが、周囲は「家族・親戚全員医者」みたいなお金持ち家系が多かったです。自分から「もっと勉強したい」と、両親や祖父母に無理を言って叶えてもらう自分に対して、親のお金で惰性で仕方なく塾通いしている同級生もいて、思春期だったというのもあり、「ずるい、悔しい、負けたくない!」という気持ちがありましたね(笑)。

その反骨心をバネに、東京大学に進学したのですが、正直、大学ではほとんど勉強しませんでした。弁護士や医者などを目指す同期が多かったのですが、これ以上親に金銭的負担をかけたくないという想いもありましたね。その代わり、ESS(英語部)の活動に全ての時間とエネルギーを費やしていて、ディスカッションやスピーチ、英語劇などに熱中して取り組んでいました。

Speeeへの就職も自分で決めたこと。ベンチャー企業や外資コンサルなどを中心にさまざまな企業を見つつも、本選考を受けたのはSpeeeのみでした。その理由はシンプルに「しっくりきたから」だったのですが、カルチャーマッチや働いている人の優秀さ、裁量があり成長できそうな環境だと感じたんですよね。理論上他にも正解がありえるけれど、そもそも会社選びは完璧な比較をすることが難しい意思決定だと考えていたので、正解の一つとして納得して入社を決めました。

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壇上でスポットライトを浴びる同期を見て、目が醒める

内定期間中の大学4年次の約半年間くらい、現Webアナリティクス事業部のアナリスト職としてアルバイトを経験した後、2016年4月に社員として入社、そのままアナリシス職として正式配属となりました。データを活用して仮説を分析・検証すること自体はとても楽しくて、粛々と目の前の業務に取り組んではいたのですが、そこそこ器用に成長はするが、最速でプレーヤーランク(※1)を上げることにコミットするわけでもなく、新卒らしくガツガツ役割を引き受ける姿勢があるわけでもなく…。正直、目の色変えて頑張れていたかというと、そうではなかったんですよね。
そんなときに半年に1度の全社表彰式があり、そこで同じ事業部・職種の同期が新人賞を受賞したんです。壇上でスポットライトを浴びる同期を見て、一瞬にして目が醒めました。「自分は何をやっているんだろう」と。

そこから一気にスイッチが入り、とにかく先輩や上長からのリクエストに着実に応えていこうと、貪欲に取り組み始めました。徐々に事業部内でも難度の高い案件を割り振ってもらうことも増え、その期待を無駄にせず、超えていきたいというのも大きなモチベーションになっていきました。

とはいえ、多くの失敗も経験しました(笑)。当時のメンターの田中さんを夜遅くまで拘束して分析資料作成に付き合ってもらったり、お客様との定例会用の資料が間に合わず、雨の中遅刻しながらも、ホチキス止めもカラー印刷もできていない、びしょ濡れ状態の資料を持っていったこともありましたね。
ただ、その必死な姿に逆に好感を持っていただき、その後もそのお客様とはより良い関係性を築くことができました。たとえ失敗したとしても、きちんとリカバリーをしていけば、信頼を積み重ねていけるということに気付いたきっかけでしたね。

また、自分の中で印象的な経験として残っているのは、事業部内で最も難度が高く、提案できる施策も出尽くしている状態の案件に、突如一人で訪問しないといけなくなったことです(笑)。
しかも、先方の社長が定例会に参加されるのですが、メディアに対してのリテラシーが非常に高く、投げかけられる質問も段違いにレベルが高いんです。その1時間が本当にツラくて、毎月定例会の2~3日前からお腹が痛くなっていたりしました…(笑)。けれど、とにかく事前インプットと準備を徹底して行なうことで、より幅広い領域に関する質問や意見も求められるようになり、徐々にビジネスパートナーとして認めていただけたと感じられたのは、自分にとって大きな自信になりました。

その後もクライアント対応のほか、社内の事業立案コンテスト『ENTRE』(※2)に参加したり、アナリスト職内でのバリュー報告会(※3)で優勝したり、事業部内での横断プロジェクト推進を任されたりと、業務領域を着実に広げていったタイミングで、全社の表彰式にて新人賞を受賞することができました。

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全社の表彰式にて新人賞受賞時のスピーチの様子

※1 Speeeでは評価と連動した職能要件がランク形式で明確に定義されており、職能ランクを上げるためには試験合格が必要
※2 参考:https://media.speee.jp/archive/2020/03/04
※3 アナリストが自案件の中で成果とそのプロセスの事例を紹介し、一番バリューを発揮したメンバーが表彰される発表会

それぞれの仕事に、新しい視点と真理を見出す

2017年の年明けの面談にて、現経営企画本部の事業戦略や分析を専門に行なうチームへの異動の話をいただきました。まさに年末年始休暇中に来年どんなアナリストになっていこうか考えていたところだったので、まったく想定しておらず驚きました。ただ、期待してもらっていることは伝わってきましたし、異動先の上長である洋介さんや先輩の方が非常に優秀な方たちばかりだったので、成長のチャンスにワクワクしましたね。

その部署ではWebアナリティクス事業のサービスの根幹に関わる開発プロジェクトにてプロジェクトマネージャーを務めた後、WA事業戦略策定に携わり始めました。具体的には、既存の提供サービスは属人的で質にばらつきがあるという課題に対して、型に落とし込んで標準化することで、生産性を上げていくためのプロジェクトを担当。プロジェクトの進め方はもちろん、サービスや事業を俯瞰的に捉えた上で、「お客様へ提供する価値を高めていくにはどうすべきか」を考える必要があり、それまでの自分の基準ってまだまだだったんだと痛感するきっかけになりました。また、現場リーダー陣の意見を拾いながら、プロジェクト全体をハンドリングする必要のある場面において、「自分の意見をちゃんと持っていたら物怖じせずに伝えていいんだ」と、人ではなく、あくまでもコトに向き合うべきなんだということを実感しました。

その後、新規セールス組織の立て直し等、複数のプロジェクトを経て、今はネイティブアド配信プラットフォーム「UZOU」の事業戦略に携わっています。短期で予算を達成させるための施策はもちろん、中長期での達成に必要な仕込みも並行して行っています。より実現可能性が高い予算計画をシュミレーションしたり、営業戦略をどうするか、競合プロダクトに勝つための機能開発の仕様をどうするか、どんな人員計画でいくか等、事業責任者とともにUZOU全体の戦略・戦術を実現することにコミットしています。
2年目までと比べると、次元の違う難度のミッションであり、事業数字に責任を持つこと、事業を伸ばすことに責任を持つ重みを感じています。また、ここでは書けないようなしんどい経験もさせていただき、そのたびに自分でも大きく成長したように思います。スピード感を持ちながら持続的に成長できる事業にしていくために、今も日々奔走していますね。

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努力するプロセスを通してそれまでの自分を超えていきたい

これまでの経験を振り返ってみると、それぞれの仕事を通して自分の中に新しい視点や価値観を取り入れていくことに非常に面白みを感じてきました。だから、自分にとって「働く」ということは、新しい視点や真理を発見するためのきっかけを与えてくれるものです。複雑性も難度も高い壁にぶつかることで、都度自分の限界を超える必要性が生じる。そのために努力するプロセスを通して新しい視点を獲得し、それまでの自分を超えていくことができる。その一連の流れを最も効率よく、かつ全方位的に経験できるのが、「働く」という行為だと考えています。

これからのキャリアを考えていくと、既存事業だけでなく新規事業に携わったり、事業サイドからコーポレートサイドに移ったり、デジタルマーケティング以外の分野だったり、既成概念を思いっきり揺るがされそうという意味では、海外で働くことだったり…。これまでと違った観点を獲得できる場面であれば、どんなことでも積極的にトライしていきたいです。性格的に一度身につけた観点だけを使い続けると飽きてしまうところもあるので(笑)、それを避けるためにも、決して守りに入らず、常に自分自身をも疑いながら、新しい領域にチャレンジし続けていきたいですね。

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大学のサークル(ESS)の友人たちとの婚約祝い旅行



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現在の上司 伊藤 尚緒

20201116141457宇津木くんの特徴は、成長速度がとにかく早いところだと思っています。周囲の雑多な変化に囚われずに、あくまで目の前のことに集中して、黙々と思考を巡らせて意思決定をしている。そうでありながら、周囲の人から学ぶ姿勢や先輩を使うのがすごく上手い。それが圧倒的な成長速度に繋がっているし、本当に彼の良い部分だと思っています。

今、隣の席で仕事していますが、ぐっと集中してデスクに向かう姿をよく見かけます。集中して目前の難題を解くのは当たり前、同じ集中力で振り返りを頻度高く行っているのが彼の特徴です。おそらく、多いときだと半日単位、むしろリアルタイムで振り返ってPDCAを回しているんじゃないでしょうか。周りからしたら階段飛ばしで成長してるように見えるかもしれませんが、実は小さなステップを確実に高速で登っているのが事実じゃないかと思います。それが彼らしい成長の仕方だと思いますね。

これはSpeeeの新卒の方達に共通して言えることと思いますが、自分を研鑽していく貪欲さを持ちながら、同期が受賞する姿に影響されてスイッチが入るなど、いい意味での純粋さがあります。それも成長をドライブさせる要因になっていると思いますね。宇津木くんは、現在の期待役割に対して十分に返せる状態になってきていても尚、「もっと成長したい、ステップアップしていきたい」という貪欲さは消えない。本当に頼りになります。

彼自身にもよく言っていますが、今後はリクエストに対してアジャストしていくだけでなく、自分に何を期待するかを自分で考え抜き、自ら挑戦して突破していってほしいと思っています。Speeeの変わらぬミッションと日々変化する成長軌道に呼応するように、彼には大胆に挑戦していってほしいですね。


伊藤 尚緒(いとう たかお)|経営企画本部 戦略推進室 マネージャー
2006年に大学在学中に大学用SNSサービス事業で起業、2009年に海外企業に事業売却。2009年、ソフトバンクモバイル株式会社(当時)に入社し、主に個人向けサービス部門でマーケティング・サービス開発・アライアンス・事業戦略部門を担当。2015年にはCo-Founderとしてデータ関連事業で起業。2017年から活動の拠点を米国カリフォルニア州に移し、自身が起業した会社の成長に寄与するとともに、フリーランスとして様々な企業のマーケティング・事業戦略に携わる。2019年4月、現役職にてSpeee参画。


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