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未来を引きよせる"事業開発集団" Speeeの遺伝子

Speeeは、Visionの一つとして「事業を開発する、という事業。」を掲げていますが、創業期より強い意思をもって、事業をつくるための仕組みや仕掛けを会社の経営の中枢に組み込んできました。


若手社員の絶好の成長機会にもーー事業立案コンテスト『Entre』とは

Speeeの象徴的な事業立案の仕組みとして挙げられるのは、2012年、創業5期目よりスタートしたEntre(アントレ)です。コンテスト形式で行なう事業立案フォーマットで、全ての社員が応募でき、2~3ヶ月かけて競い合うことが特徴です。

現在はEntreの優勝者が社内のロールモデルとして活躍していることも多く、Entreで活躍したメンバーが実際に新規事業の実行フェーズで抜擢されているケースもあり、「事業を作りたい」「起業したい」と考える社員にとっては実力を試す大きな機会の一つであると言えます。

それは、よくある「新規事業のネタ出しの場」ではなく、ユーザーヒアリングやP/L作成、WEBサービスであればモックの作成なども行なうほど、いつ実行してもよいレベルの事業プランが求められるため。新規事業を実際に立ち上げる際のプロセスを疑似体験してもらいたいという、成長機会提供の視点も踏まえて設計されています。

選考フローは、書類選考・二次審査を経て、全社員の前での最終ピッチという流れです。チーム編成は社内の職種や部署の垣根を超えて任意のメンバーが集まり、都度設定されたテーマを基に事業立案を開始します。

二次審査以降は過去の優勝者や事業部長などの実力者が、メンターとして各チームにアサインされます。この段階に進んだチームには会社が持っている市場状況のデータなども積極的に共有し、メンターが参加メンバーへ適切なサポートを行なうことでリアリティのある本気の事業プランにブラッシュアップさせていきます。



連動性のある制度『Summit』『Board+』で事業創造を加速

Entreの他に、Summit(サミット)という、幹部陣による事業創造の仕組みもあります。これには、全社の役員がそれぞれチームを組んで対抗戦を行なうケースと、事業本部内で事業部長やマネージャー陣がチームを組んで行なうケースの2通りがあります。社内で仕込んでいた事業のタネのストックを活用しつつ、データのさらなる収集・深掘りと戦略プランの精度上げを行なっていきます。最後に、参加チーム同士で発表と評価を行ない、優勝者を決めるというコンテスト形式で行なわれます。

Entreとは異なり、チームメンバーはオーナーによるドラフト選抜。クローズドな場で開催されるのも特徴的で、タイミングも、新規事業として仕込みたいネタがストックされ、一気にプランニングしたいときに随時開催されます。

一方で、これらのコンテスト形式で行なわれるEntreやSummitとは異なり、社内の実力者を集め、役員自ら主導して新規事業のタスクフォースとして無期限の長期的なプロジェクトとして行なうBoard+(ボードプラス)も事業立案の仕組みの一つです。

Board+では、一つのプランが詰まりきって後は実行に移すだけ、という状態に持っていくところまでを行ないますが、その過程を通して、今は参入すべきでないという判断を下すことも当然あります。しかし、調査領域に対する解像度が上がり、参入条件やタイミングが推し量れることも大いにあるため、意思決定しきれるまでメンバーで実行するのが特徴です。

また、情報を積み上げながら様々な解釈を紡ぎ合わせることで、新たな方向性が見出されることもあり、EntreやSummitで事業プランが作られたのちに、Board+で改めてプランニングし直す、ということもあります。



既存事業から派生する現場主体の『事業部内新規事業プロジェクト』

Speeeは既存事業もすべて成長事業であるべきと考えており、コンテスト形式や経営サイドでの取組みという形式と平行して、既存の事業部内からも次々と新規事業が生まれています。それは新規事業という括りに拘らずに、継続してサービスを進化させ、新たなマーケット進出やサービス開発につなげていきたいと考えているためで、EntreやSummit、Board+のような画一的なフォーマットではありません。

事業部ごとにその事業領域の未来を引きよせていくためのミッションを定義しており、社会に対する価値提供のインパクトの質・量を大きくしていくことが各事業に求められています。

その中で、経営主導ではなく、現場主導で事業の進化のタネをストックしながら、定期的に経営サイドと議論を重ね、今の事業を今後3~5年でどのように進化・改革させていくのかというコンセプトを考え、これを実現するためのプランを創造しています。

また、経営陣や事業責任者がトップダウンで企画するだけではなく、顧客理解の深い現場メンバーが主体的に事業のタネを生み出し、実際に顧客に提供してみるなど小さくトライを重ねながら新しい事業プランをつくり上げていく、というような取組みも行なっています。



0から事業のタネを生み出しグロースさせる『新規事業戦略室』

Entre、Summit、Board+といった仕組み以外にも、生粋のアントレプレナーである創業者の久田や、社長室 室長の岩澤など、新規事業戦略に精通した精鋭メンバーで構成されている新規事業戦略室という組織があります。

プロジェクトベースではなく専任のチームとして、シンクタンクのようにビジネス研究・事業ネタの創出をしているのが特徴です。ここでは、調査・企画にとどまらず、実際に小さくトライをしながら意思決定をしていくため、実行を見据えた組織化を行なっています。

例えば、海外での新規事業を画策したケースでは、現地へ行って調査を重ね、現地向けのサービスを小規模に立ち上げ、実際にマーケティング投資までも行なって事業性を検証しました。ここまでを新規事業戦略室で行ない、その後に本格的なサービスを始動するタイミングで海外事業部が構築され、さらに軌道に乗った後に現地法人を設立する、という段階的な事業進化を数年かけて行なっています

このように、新規事業戦略室は、徹底的な調査や検証に基づくデータドリブンでの事業開発を行なっており、これまでSpeeeが培ってきた事業創造の遺伝子を磨き続けている存在です。




新規事業のタイプによる立ち位置の違い


以上のように、現在Speeeには、新規事業創出に関する5つの仕組みや組織が存在しています。それは、あらゆる方法でシステマチックに新規事業を生み出したいという思いがあるからであり、何か大きな事業が一つ当たれば良いのではなく、「事業を開発し続ける」ということにこそ意味があると考えています。



連続的かつ着実に進化させていくために、受け継がれるSpeeeの遺伝子

新規事業というときらびやかなイメージがあるかもしれませんが、事業創造に適している人材や、実際にSpeeeで活躍しているメンバーの共通点は、頭の優秀さだけではなく、真摯さや継続できる愚直さです。

価値ある大きな「社会の進化」を実現するには、細かな進化を積み重ねること、そして然るべきタイミングで訪れるチャンスまでチャレンジを継続させることが重要ですし、Speeeとしては連続的かつ着実な進化の先にこそ、大幅なブレイクスルーが実現できると考えています。例えるならば、一発ホームランだけを狙いにいくのではなく、ヒットを量産し、時にはバントを打ちながら打線をつないでいくことで打席を積み重ね、不意に訪れる決定機を逃さないというイメージです。

物事に真摯に向き合い、追究し、執着心を持って擦り倒し、本質を捉えるまでやり続ける。それができる人であれば、あとは訓練やマネジメント次第で手法は身につけることができます。

Speeeにそんなメンバーが多いのは、ベンチャー企業らしい有機的側面と、システマチックな制度や仕組みが相乗作用しているからだと考えています。役員陣もフラットに議論しながら、データやファクト、ロジックに忠実に向き合っている人が多く、メンバーに対してもそれを求めます。加えて、創業期に役員がやってきたことをEntreやSummit、Board+のように仕組み化することで、その遺伝子が脈々と引き継がれ、これが「事業を開発する、事業。」という文化として今も色濃く根付いています。先人達がやってきたことを追体験しながら伝承することで、役員から事業部長、マネージャー、リーダー、さらにその下のメンバーまでしっかりと受け継がれているのです。

このようにSpeeeには、組織としての一貫性を大切にしながら、長い目でみた上で事業を進化させ、社会にインパクトを与えていきたいという想いがあります。だからこそ、入社していただいたからには長く勤めていただき、徐々に活躍していけるよう、各種制度を整えたり、組織・文化の醸成に努めています。

再現性を高めるために一貫された仕組みを作り、誰かが引っ張るというわけではなく、遺伝子レベルで事業創造や組織の風土形成を進めていくことで、Speee全社として未来を引きよせていけると考えています。

※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。